「さよならの朝に約束の花をかざろう」の感想

正直キービジュアルの時点で全然面白くなさそう。面白くないの中でも会話の種に出来なさそうな凡作やろなって高をくくっていたのですが、『あの花』『ここさけ』の岡田麿里が満を持して贈る、一大感動巨編!と銘打たれると、いろいろ思うことがあって、私はここさけの脚本が大好きなのもあって初日に観に行きました。(実写版の脚本は忘れてください)

 

エルフ族の少女が赤ん坊拾って育て始めた時点で、ああこれ「感動」「巨編」ってことは、赤ん坊の最後を見送る話なんだなあってのが分かりやすくて良かった。あと主人公が石見舞菜香の良い声でよかった。ゲーマーズを視聴すると好きになると思います。悪かったのはそれ以外の大体の要素です。年度末だからお金使わなくちゃ!って人以外は本当に見に行かなくていいと思います。

 

ファンタジー世界にシャワーが出てきただけで怒るSFおじいさん向けの世界なので、世界特有の用語と登場キャラの名前を観ながら覚えなくちゃいけないんだけど、説明は台詞でしかされないので非常にしんどかった。

映像作品って乱暴な話、用語・登場人物の名前なんか覚えなくても台詞の文脈や、脚本の動きで不通に観れる筈なんだけど、この作品は台詞を追いかけないと何喋ってるか理理解できないんですよね。小説だと字面で覚えられますが、おそらく情報の出し方やら台詞回しとか何も考えてないんだと思います。例えば

専門用語:イオルフ・レナト・メザート・ヒビオル
登場人物:マキア・エリアル・レイリア・クルム・ミド・ラング
くらいは覚えないと、突然出てくる「クルムは私のヒビオルなんだから!」みたいな台詞で泣けません。もっと睡眠を取ってから鑑賞すべきでした。

 

展開もテンポが悪くて、そりゃ場面転換は多いけど、ぶつ切りみたいな転換ばかりで、着いていくのが精一杯でした。着いていきたいほど面白くもないし。オタク間でバブみという概念が流行ったからいっちょ母性ものやってみっか、レベルで作られてるとしか思えない。

書きながら頑張ってフォローの内容を考えているのですが、プロローグで「たった数百年前」って言っためちゃくちゃ長く生きる種族の長老が実は3、400歳くらいだったり、長生きするの当たり前な種族が兵士の攻撃であっさり死ぬとこは面白かったです。この人たちが数百年生きるのって、めちゃくちゃ大変じゃないですかね。。

メインテーマの母性的な要素に関連して、現代のシンママの苦悩をそのままファンタジー世界に代入してる描写も多く、世界観とテーマのマッチングが下手くそでした。「おおかみこどもの雨と雪」とかちゃんと見たほうがいいと思います。

 

エモいの観たいだけだったら外出する直前に見た、乃木坂辞めた女の子のPVとかの方が全然泣けたし、名作としてもクソ映画としてもお勧めできません。「ここさけ」の時はベタになりそうな設定も現代的に昇華出来てたんだけどなあ。

 

 

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